営業報告のまとめ
今回は今までのコース「営業報告」のまとめで、パート1、パート2を通して、外人上司への営業報告の全体を通して見ます。
まず、おさらいの一環として、会話の中で使われてきた、営業報告で良く出てくる語句を見ていきましょう。
営業の報告でよくでてくる英語の語句
QUARTER: 四半期
外資系の会社は四半期毎に閉めることが多く、3ヶ月90日を区切りとして活動をします。
したがってQTRもしくはQuarterという言葉がよくでてきます。
例文
What is your number this Quarter?
今期の成績は?
CONFIDENCE: 自信
達成にどれだけ自信があるかと言う聞き方をするときよく使われます。
例文
How confident you are to make it happen
実現にどれくらい自信があるの?
TARGET: ターゲット
その期に割り当てられた目標Quotaという言い方もされます。
例文
Tell me your target this Quarter
今期のターゲットは?
FIRM UP: 固めていく
まだ柔らかい、売れるかどうかわからない案件を、成約に向けて売れる案件に、そして受注に向けていくときによく使われます。
例文
Let’s firm up the upside
アップサイドを固めていこう
CLOSE: 成約
成約することをいいます。
例文
Let’s close all in this Quarter!
今期に全部成約しよう!
以上、英語のダイアログを聞く際の参考にしてください。
営業は芸術それとも科学?
“IS SELLING AN ART OR A SCIENCE?”
このフレーズは長く論争されてきました。
セールスは人が人を購買に向けて動かす(Infulence)仕事であり、個人の能力や資質に追うところが非常に大きい仕事です。
個人によって業績に大きな差ができます。
代表的な事例は保険のセールスを思い出していただければわかるかと思います。
かつては、一人で億の仕事をこなす人もあれば、成績があまりパッとしないで数ヶ月で辞めていく人もたくさんいました。
営業の手法も人脈を大切にしてそこからビジネスをしていくタイプの人もいれば、とにかく飛び込みで数をこなして成績をあげる人もいます。
人それぞれに、アプローチと実現方法が違い、ある人に通じる方法が必ずしも他の人に通じる訳ではなく、技術として誰でもできる形で定型化するのが難しいビジネスと長らく考えられてきたのです。
CUSTOMER RELATIONSHIP MANAGEMENT (CRM)システムの登場
過去10年の間にCRMが導入されるようになってからこの辺りの事情がだいぶ変わってきました。
営業プロセスの標準化
- 営業の状況をステップごとに定義
a. 初めてのアプローチ
b. 商品サービスの説明を終えた段階
c. 客のキーマンにあってプロポーザルの説明をした段階
d. プロポーザルの了承を得た段階
e. 価格交渉をして予算を確保いただいた段階
f. 契約書の内容を説明して契約交渉に入った段階
- 営業の大事な段階(マイルストーン)を社内で統一した段階(Stage)として標準化
- マイルストーン応じて受注確率をコミット、アップサイド、チャレンジ、パイプラインと分類
- 営業の進捗状況を全社統一のシステムにいれて情報共有
ここ10年で営業の標準化と見える化がCRMの導入と共に一気に進んだように見受けられます。
仕事と役割
プロセスの標準化と共に、各プロセスで必要とされる仕事と役割が明確に定義されるようになりました。
- 営業が訪問するのにふさわしい会社の選別とキーマンの発見
- セールスの標準的なセールスマニュアルの提供(セールスプレイブックともいう)
- プロポーザル等のプレゼンテーション
- 技術のエンジニアの同行
等々、それぞれのプロセスの標準化が一気に進みました。
案件の見える化
案件が社内統一のシステムに入れられることにより、全社での案件の把握と受注確度についての共有が計られて、全社でいつ頃、何が販売されて、それが全体でどれほどの販売額なのかということがリアルタイムでわかるようになってきています。
営業業務のシステム化
こういったことは、数十年前から行われてきたのですが、紙をベースに行われたり、部門ごとの導入だったりして、全社統一でのシステムではなかったので、なかなか浸透せず、また営業の中で徹底が行われませんでした。
しかし、近年のコンピューティングのクラウドの進化とともに、こういったシステムがどこからでも使えるようになり、一気に標準化が進みました。
営業は芸術それとも科学?
再度この質問に戻りますが、どんなにシステムが進んでも、最後の購買は人が決定することですので、人と人とのやり取りの中で決定されます。やはりそこには芸術(Art)の世界は残ります。
しかし、以前のように何から何まで芸術(Art)ではなく、本当に凝縮されたところがアートで残り、そこにはこのコースでこれから進めていくように、明快でわかりやすい人と人のコミュニケーションが非常に大事な要素となっていきます。