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皆様は「学校教育でPCを増やすと学力は低下する」と言われた時、信用しますか?

一般的には、そのようなことは無いだろう、と思われるのではないかと想像します。

何故ならば、「PCを学校に導入するのは学力向上のため」と何処かで見聞きした覚えがあるあるからではないでしょうか?

しかしながら、「それは、本当ですか?」と問われると、はっきりと理由を説明できる方は大変少ないことでしょう。

何故ならば、それを説明できるデータなどを持ち合わせていないからですね。

今回は、この「説明できるデータ」について考えたいと思います。

始めに、ディベートの考え方を説明したいと思います。

ディベートの基本的は、論証なくして証明はない(信用しない)とする考え方です。

ろんしょう【論証】
出典 大辞林 第三版
( 名 ) スル 〔reasoning〕
〘論〙 与えられた命題が真である理由を明らかにすること。真なる前提から真なる結論を推論規則に従って導き出すこと。論証されるべき命題(可証命題)に対して,それを必然的に帰結する理由となる命題(論拠)を提示する形をとる。したがって論証は論拠を前提とし,可証命題を結論とする推論であるが,用いる推理が演繹(えんえき)的であるか帰納的であるかによって演繹的論証,帰納的論証に区別される。証明。立証。挙証。

論証とは、即ち論拠を示して結論を推論するということですね。

論拠には、統計的なデータや専門家の意見など(エビデンスと呼びます)を使われますが、推論の結果が信頼されるには、エビデンスの信ぴょう性が重要となります。

前置きが長くなってしまいましたので、本題に入りたいと思います。

さて、皆様は「学校教育でPCを増やすと学力は低下する」と言われた時、其のようなことは無いとするには、それなりのエビデンスが必要となることは、理解して頂けたかと思います。

そこで、私はインターネットで見つけた記事を紹介したいと思います。

学校でPC増やした国、成績下落…OECD調査
出典 読売新聞 2015年09月17日
学校で生徒1人あたりのパソコン設置台数を増やした国ほど、成績が下落傾向にあることが、15日に発表された経済協力開発機構(OECD)の調査でわかった。
パソコンを使う頻度が高い生徒は読解力が低いという結果も出ており、教育現場でのICT(情報通信技術)の活用方法に課題が浮かび上がった。
OECDは各国の15歳を対象に読解力と数学・科学の応用力を測る国際学習到達度調査(PISA)を3年ごとに実施している。今回は2003年と12年の調査に参加した39か国の成績の変化と学校へのパソコン設置台数との関係を調べた。
それによると、オーストラリアやニュージーランド、ハンガリーなど、生徒1人あたりの設置台数を増やした国では、数学的応用力が下がっていた。一方、パソコンの設置率が比較的低い日本やメキシコ、イタリアなどは成績が上がっていた。

つまり、「学校で生徒1人あたりのパソコン設置台数を増やした国ほど、成績が下落傾向にある」ことが、「39か国の成績の変化と学校へのパソコン設置台数との関係を調べた」結果としてわかったというのです。

39か国の調査ということは、文化や言語を超えてこうした傾向が見られることになります。

ここでPISAとは、OECDが進めている15歳児対象のPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査のことで、現在は2012年の結果までが公表されております。

第5回「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果公表
出典 国立国会図書館国際子ども図書館
2013年12月3日、国立教育政策研究所が、OECDによるPISA(Programme for International Student Assessment)の結果を公表した。同調査は、15歳児を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野における学習到達度を測るもので、3年ごとに実施される。5回目となる2012年は、65か国・地域、約51万人の生徒を対象に、上記の3分野のほか、国際オプションとして、コンピュータ使用型調査(デジタル数学的リテラシー、デジタル読解力、問題解決能力)が行われた。日本での実施に関しては、国立教育政策研究所が主に担当している。なお、調査結果の要約には、結果の推移も報告されている。

全国紙の読売新聞が報道しているので間違いはないとは思うものの、私は興味を覚えて、読売新聞の記事の元になっているOECDのレポート(Students, Computers and Learning OECD Revision version October 2015)を読んでみました。

内容をかい摘んで説明したいと思います。

始めに、数学の成績から見てみましょう。

確かに数学の成績と各国にある学校にあるPC数のには、逆の相関が見受けられます(相関係数の二乗=0.27)。相関係数Rは、マイナス0.52であり、比較的緩やかな相関と考えられます。

また、読解力と各国にある学校での学習としてインターネットでブラウジングする頻度にも、同様に逆相関がみられます(相関係数の二乗=0.24)。相関係数Rは、マイナス0.49であり、比較的緩やかな相関と考えられます。

さらに面白いことに、読解力とPC利用頻度との関係は緩い山形(凸)になっており、一番成績が良いのはPC利用が平均より少し少ない学生だということです。

即ち、全くPCを使わないのも成績は良く無いが、使いすぎるのはもっと悪いという結果です。

何故でしょうか?

このレポートの序文によれば、「読解と数学の基本的なレベルの習熟を確実にすること」がまず重要だというのです。

出典 Students, Computers and Learning OECD Revision version October 2015
単純化すると、すべての子供における読解と数学の基本的なレベルの習熟を確実にすることが、ハイテク製品やサービスへのアクセスを拡大したり補助したりすることよりも、デジタルの世界では平等な機会を作り上げることが出来ると言える(筆者英訳)。

更に、序文ではPCの使いすぎの弊害が見られるとしています。

出典 Students, Computers and Learning OECD Revision version October 2015
そして、学校以外で平日に週に6時間以上PCを使っている学生には、学校で孤独に感じており、PISA試験が始まる2週間前には学校に遅刻したり欠席したりしていた(筆者英訳)。

以上から、理解できるのは、コンピュータリテラシーの重要性が高まっている今日ですが、基本のいわば読解や数学の基本はしっかり身に付けてから、PCに触れていく必要があるということ、そして、子供がPCに触れ合うのには時間制限など、管理が重要という事のようです。

結論だけを見れば、さほど驚くような内容ではないかも知れませんが、これが数十か国に及ぶ調査で、」文化や言語の違いを超えて明確に裏付けされたということに大きな意義があると思います。

また、新聞などのマスコミの報道をそのまま鵜呑みにせずに、出来れば自分で原典にあたってみるのも、理解を深めるには良い習慣であると思います。

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