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今多くの企業で注力しているのが、働き方改革だ。

多くの企業は、電通の過労死事件が社会の注目を浴びた結果、まず長時間労働の是正に取り組んでおります。

しかしながら、様々な取り組みが報道される中、長時間労働是正の達成は非常に難しいのが現状です。

前回は、働き方改革で「残業代が8.5兆円も減る」可能性がある一方、生活残業をしている従業員が全体の3分の1おり、今より残業をしたい人が2割もいることが分かりました。

残業時間が減ったら『収入が減る』『ローンにも影響する』と真剣に社員が取り組まないことが、長時間労働是正が難しくなっているのです。

実は、この矛盾をうまく解決した企業があるのです。

今回は、IT企業といえばブラック企業の代表選手といわれるなか、残業時間は平均で月18時間で増収増益を続けている大手IT企業であるSCSKの秘密に迫ってみましょう。

初めに、SCSK中井戸信英会長が社長として就任した当時、SCSKでは昼間の休憩時間と言ったら机の上で寝ていたり、喫茶室のようなところで寝泊まりしている状況だったというのです。

出典 残業しない人に残業代を払う会社 日経ビジネスオンライン 2015年6月16日
残業時間を激減させると同時に増収増益を続けている、SCSK。数年前までは他のIT企業同様に労働環境の問題に悩んでいた同社に、何が起きたのか。仕掛け人の中井戸信英会長・健康経営推進最高責任者が、その要諦を語った。

中井戸:あなた方もご存じのように、IT企業といえばブラック企業の代表選手。なのに、今のSCSKの残業時間は平均で月18時間や。1日当たり30分強ってことは、ほとんど残業してない感覚だよ。たぶんほかの人たちは、信じられない、うそをついているのか、売名行為か、マジックかと思っているのと違う?

僕が2009年、SCSKに経営者として来た時、従業員は喫茶室のようなところで寝泊まりしていることがあった(編集部注:中井戸氏はそれまで住友商事副社長を務めていた。当時の社名は住商情報システムで、2011年にCSKを買収してSCSKに社名変更した。以下、SCSKと表記)。ひどいのはシュラフ(寝袋)でも持ってきていたのと違うか。昼間の休憩時間と言ったら机の上で寝ているやつもいた。これがやっぱりIT企業の実態なのか。働いている人たちも、それが普通の会社生活、習慣だったんだろうなと思ったよ。

トイレが少なくて、僕も並んだ。社長だから、先にさせてくれと言われへんやろう。食堂もなかったから、みんな11時半からエレベーターに並びだしてエレベーターも動かない。診療所はない。薬局もない。それで親会社がデベロップしたオフィスを集団脱走してな。それはものすごい波風は立ったで。でも、戦いはそれからや。食堂を作れ、診療所を開設、薬局も付けたろうと。そんなことを整備せずして、こんな産業で働いている人たちの面倒を見てちゃんと仕事をやってもらえるかと。

やっぱりメンタルの問題というのは、労働環境とリンクする。遅くまで働いて、帰りがけに一杯行こうかとなる。夜中まで飲んで、へべれけになってタクシーに乗ってトラブルを起こす。そんなのが、いろいろ出てくるやろう。家庭生活がうまくいかないというのも、元はといえばこういう残業が影響していることもだいぶあるわ。会社はやっぱりちゃんとした環境を提供せないかん。

一方、残業削減に本格的に取り組みだした1年目はほとんどが成果なかった理由が残業時間が減ったら『収入が減るやないか』『ローンにも影響する』と真剣に社員が取り組まなかったからと振り返っております。

出典 残業しない人に残業代を払う会社 日経ビジネスオンライン 2015年6月16日
残業削減を掲げる企業は多いですが、なかなかうまくいかないケースが多い。

中井戸:こんなものは、日本企業の大昔からのテーマでしょう。今、政府も声をあげたりして、朝型勤務にするとか色々なことをやっている。そういうやり方もあると思います。でも、うちのやり方はちょっと違う。うちの場合は1年目(残業削減に本格的に取り組みだした2012年度)は似たようなことをやって、ほとんど成果なしやった。

そもそも、労働時間のコントロールが対象になっている人たちは、そんなに年も取ってない。まだ収入が少なくて、家族もできて、生活がしんどい。教育にもお金がいるし、ローンもあるわな。

IT産業の人たちは、長時間の残業が常態化しているから、残業代が総収入に占めている割合がものすごく多い。もちろん(従業員には)、無理やり残業して生活の足しにしている、なんて認識はないよ。でも、これが自分の生活であり年収なんや。僕だって組合員のころには、残業代の方が多い時があったよ。

残業は悪である。君らやめたまえ。もっと早く帰れ。経営者がそんなこと言っても、(従業員の)頭の整理としては、『そう言われても、それでは仕事が回らない』ということになる。もう1つは、よしんば残業時間が減ったとしても『そんなことしたら俺、収入が減るやないか』『ローンにも影響するで』と思う。

そこで、逆転の発想で、SCSK中井戸信英会長は当時減った残業代は全て支払うという決断をしたところ、残業は減る一方、メンタルの問題も減り、増収、増益、増配が出来たというのです。

出典 残業しない人に残業代を払う会社 日経ビジネスオンライン 2015年6月16日
確かに、残業削減だけを言われると、会社が業績を上げるために社員に負担を強いていると感じてしまいそうですね。

中井戸:そうでしょう。残業を減らせば給料も抑えられて、経費も販管費も減る。だから、残業を減らせと言っているんだろうと。これが、まず人間、頭に浮かぶことなんですよ。

だからウチは、50時間の残業を20時間に短縮できたら、30時間の残業代は全部翌年のボーナスで戻すと言った。だから、収入、経済上の心配は一切するなと。会社は『ぽっぽないない』はしませんから、安心して残業のあり方を考えてくださいと。

中井戸:給料を担保しているのだから、効率的に働いたら自分の健康にもプラスになる。仕事のあり方を従業員が自分で考えてくれ、という動機付けをしたのが、大きなポイントや。

残業を減らせと言われたら、給料を抑えて販管費も減らしたいからかと。俺ら、大変なんだと、好きでやっとるのと違うねんというのが、まず人間、頭に浮かぶことなんですよ。だから、そこまで触れてやらないと、本当に自分たちの健康のことも考えてくれているんだという気持ちにはならないでしょう。

そうしたら部長も、課長も、リーダーも、チームも自分で考えるよ。『今までのようなやり方でやっていたら、あるチーム員が失敗したら、全員がみんなまた元へと戻ってやり直しやと。それよりこうやった方がいい』と。こういうことを自ら考えさせる。経営者はそんな(現場の)ことまでは分からないんだから。いい方に回転しだしたら、みんな自己増殖していく。そうしたら、案外やれるやないかと。早く帰って寝られるから体も楽や。お子さんが起きている顔を見て相手ができる。なかなかいいじゃないか、ということにみんなが気付き始めた。

会社というのは、10億円とか15億円とか残業削減で浮いて、営業利益に上積みしたらものすごく助かるのや。でもそれはしない。皆さんの健康の原資だから、信じられないかもしれないけど、それは皆さんに戻す。残業しなくても残業代を払うから、心配しないで効率を考えてくれ、健康を考えてくれと。健康を害されたらもうどうしようもない。

(残業が減ったら)いろんな統計が良くなってきて、メンタルの問題も減ってきた。ありがたいことに、みんなが頑張って増収、増益、増配ができた。経営者としても驚くほどの成果や。やっぱり従業員が自らの勤務や業務、時間管理のあり方、すなわち効率的な業務のこなし方をしようという気持ちにさせない限り、本質的に残業なんて減らない。これは、もうあまねくどこの産業もそうだと僕は思う。

生活残業を逆手に取った、見事な長時間労働の解決策だと私は思います。

社員が自主的に働き方改革に取り組んで実現していくことは素晴らしいことです。

これから働き方改革に取り組もうとしている企業には、是非とも参考にして頂きたく思い、この事例を取り上げた次第です。

働き方改革の事例をもっと見るには次のリンクから。

働き方改革を進めるには人財への投資が必須です。企業研修は次のリンクから。

さて、経営においては、「従業員満足度」と「顧客満足度」の両方を重視するのが重要(今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業「平成27年度」)です。

・経営方針として「顧客満足度」を重視している企業は多いが、「従業員満足度」を上位に挙げる企業は必ずしも多くない
・だが、調査結果は、業績や生産性の向上、人事目標の達成度合いに対して、どちらかだけでなく、両方を追求することの効果が高いことを示している

従業員満足度向上には、仕事自体と評価において、適職感、自分力発揮、達成感、能力向上、評価と処遇が重要です(みずほ情報総研レポート「従業員満足度調査の活用」(2014年12月)。

このうち、従業員の能力向上は企業が働き方改革で盲点となっているのです。

本当の従業員の満足度向上には、従業員の能力開発を手助けして、より高度なスキルを身につけることで、高い目標を達成し、企業から評価と処遇を得られるというプラスのサイクルを実施することが必要なのです。

さらに、人材に投資をすることで企業の売り上げは増加するのです。

厚生労働省による平成17年度「能力開発基本調査」によると、過去数年の間に人材育成費を増やした企業のうち、売上高が増加している企業の割合は51.2%と半数以上を占めている一方、人材育成費を減らした場合、売上高が増加している企業の割合は24.1%にと留まっていることから、人財投資をすることは企業業績を向上させることがわかります。

では、従業員の能力向上にためにどのような企業教育をすべきでしょうか?

私が提案をしたいのが、ディベート研修です。

ディベートを学ぶことで、働き方改革を実現するために不可欠な6つの基本能力を獲得することができます。

1.論理的思考力

ディベートの基本は、「ロジック3点セット」。
全ての主張は、証拠と理由に基づかねば説得力を持ちえないという原則です。
「ロジック3点セット」がディベートの基礎であり、これをマスターすることで、あなたの議論はグローバルに通用するものとなります。

2.分析力

全ての議論を「ロジック3点セット」に照らし合わせて分析することで、その議論の強みと弱みをあぶりだすことができます。
また、「立論構成の最適化」の考え方に照らし合わせて議論構成をチェックすることで、その議論を的確に改善・強化できます。

3.洞察力

相手のロジックを推察する洞察力が身につくことで、相手のロジックを乗り越え、さらに高みのある議論に発展させることができます。

4.質問力

質問によりロジックを掘り下げ、議論をさらに深堀する技術。これをマスターすることで、実務現場で議論を推進し、より深みのある解決策を発見することができます。

5.問題解決力

ディベートの最終目的は問題解決。問題解決策をソリューションプランとして企画・立案できる能力を獲得できます。
原因分析に基づく解決策の提案で重要なコンセプトが「立案構成の最適化」。
これを学ぶことで、相手のニーズに合わせて、最も効果的なプランを提案できるスキルが身につきます。

6.コミュニケーション能力

ディベートでは実際に試合、あるいはプレゼンテーション、質疑応答といった演習を通じて総合的なコミュニケーション能力をブラッシュアップできます。思いがけない反論や、時間のプレッシャーの中で、いかに効果的に議論を進めてゆくべきかについて、身を以て学ぶことができます。

さて、働き方改革は、日本の産業を強くして競争力を取り戻すための絶好のチャンスです。そのための課題は、従業員一人一人が時間当たり労働生産性を向上させること、そして収益性の高いビジネスを開拓することです。本当の働き方改革実現の為には、社員が従来の慣習にとらわれず、効率的により良い成果を出せるようなスキル研修を積極的に実施すべきです。

詳細は次のリンクを御覧ください。

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