第4回では、英語でビジネスをするために必須の「対話」の身につけ方を取り上げました。

ここで、私はロジック(論理的思考)を身につけることの大切さを説明致しました。

欧米人と会話すると、よく「Why?」と聞かれることと思います。何故なら彼らの思考の仕方として、何かを主張するには理由や事実の裏付けが必要なのです。

非常に単純化してしまえば、「Why?」に答えることが論理的思考、ということです。欧米人は子供の時から母親や父親と会話しても「Why?」と聞かれ答えなければなりませんし、学校でも授業中に「Why?」と聞かれ答える練習をしているといっても過言ではありません。

ここに日本人の心理的問題があるのです。
日本人は「ここは触れてはいけないな」と相手をおもんばかることが文化的に大切とされているので、「Why?」を避ける習慣で育っております。

そのため、欧米人に「Why?」と聞かれると、しどろもどろになってしまうのです。
逆な言い方をすると、英語でビジネスがうまくできないのは、日本人は心理的・文化的に「Why?」に答える練習を積んでいないから、うまく答えられないのです。

つまり、英語がうまい下手ではなく、何をどう答えたらよいのか訓練されていないから、欧米人と対話ができないのです。

ビジネス英語において、ロジカル・シンキングの重要性について、著名なコンサルタントである大前研一氏が同様のことを述べられているのでご紹介したいと思います。

大前研一直伝「無敵のビジネス英語」講座
出典 プレジデントオンライン2013.1.31
「まず、TOEICで850~900点の人は筋肉と体力をつける器械体操の段階。語彙などが増え、一定の体力がついた状態」。大前氏のいうペーパーライセンスはこの辺りだろう。
「第2段階は、ロジカル・シンキング(論理思考)ができるレベルです。事実に基づいて起承転結を論理的に記述できる能力です。英語に限らず、日本語でも非常に重要なスキルです。I love you,because I love you.では論理になっていません。恋人同士ならともかく、ビジネスでは通用しません」
例えば、会議で同僚が提案したアイデアに納得できないとき、Because I don’t like it.では理由になっていないのだ。
「誰が聞いてもなるほどと思うようなエビデンス(根拠)を持ってこなければいけないのですが、日本の教育ではまったく教えていません。A=B、B=Cならば、A=Cというのが論理学の基本。例えばトヨタはハイブリッドのチャンピオンである。ハイブリッドは世界の主流である。したがって、トヨタは世界の主流になる、といったものです。英語では、このロジックが非常に理解されやすいのです」
特にビジネス英語では、ロジカル・シンキングが背骨になる。いくら文法的に正しく、発音もネイティブ並みに流暢だとしても、「お願いですから、○○をやってください」といった物言いは、ビジネスの場では通用しないのだ。

ビジネス英語において、大前氏のロジカル・シンキングの必要性には、同感する次第です。

一方、大前氏が説明した「A=B、B=Cならば、A=Cというのが論理学の基本」について、ここで捕捉したいと思います。

これは、推論法というものです。

すいろん 【推論】
ある事実をもとにして、他の事をおしはかること。推理や推定を重ねて結論を導くこと。「調査結果から事故原因を―する」
(三省堂提供「大辞林 第二版」より)

即ち、推論することで、自分が経験していないことでも理解できるようになるのです。

推論でよく使われる手法に、演繹法と呼ばれる三段論法があります。

三段論法は3つのステップからなります。

1) A—>B
2) B—>C
従って
3) A—>C

数学でならったのを覚えている方も多いでしょう。実は三段論法は論証として極めて有効な推論法なのです。

この三段論法を使って「クリントン元米国大統領は死ぬ」ことを推論してみましょう。

(A—>B)クリントン元米国大統領は人間である。
(B—>C)人間は死ぬ。
従って
(A— >C)クリントン元米国大統領は死ぬ。

「クリントン元米国大統領は人間である」(A—>B)ことを受け入れれば、「人間は死ぬ」ことから、「クリントン元米国大統領は死ぬ」という命題が証明されました。

この三段論法を実際のビジネスに応用するには、練習が必要となります。

その練習で最も効果的なのがディベートなのです。

ディベート研修にも様々なものがありますが、特にディベートの試合に基づいた研修では、課題に対して、事実を調査・分析し(ロジカル・シンキング)、課題を発見し、解決策を策定して、提案する(プレゼンテーション力)、そして全てのプロセスをメンバーと協力して単時間で達成するチームワーク力などの多様なスキルが同時に体得出来るのです。

詳細は、弊社ディベート教育株式会社のウェブページ(https://debatekk.net/)をご覧ください。

弊社ウェブページでは、ディベートの基礎と応用について多数の具体的事例を使って詳細に説明をしております。

英語でビジネスができるようになる「ハイブリッド・ディベート研修」

今直ぐに、英語でビジネスをしなければならないという緊急のニーズを満たすために、提案するのが弊社開発の「ハイブリッド・ディベート研修」です。

英語でビジネスができるようになるためには、英語の文法がよくわかっている、或いは発音がネイティブに近いとかは、英語をする上では大して重要ではありません。

英語でビジネスをするための知識と対話を身につけることが必要なのです。

ビジネスをするための知識を身につけるには、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」に変わる必要があります。

次には、英語での「対話」を身につける必要があります。即ち、ロジックを身につけるということです。ロジックとは平たく言えば論理或いは論理的思考のことです。

欧米人と会話すると、よく「Why?」と聞かれることと思います。何故なら彼らの思考の仕方として、何かを主張するには理由や事実の裏付けが必要なのです。

ここに日本人の心理的問題があるのです。
日本人は「ここは触れてはいけないな」と相手をおもんばかることが文化的に大切とされているので、「Why?」を避ける習慣で育っております。

つまり、英語がうまい下手ではなく、何をどう答えたらよいのか訓練されていないから、欧米人と対話ができないのです。

さて、知識とロジックを同時に身につけるのに最適なのが、ハイブリッド・ディベート研修なのです。

研修では、あるケースについて大量の資料を準備します。それも同じ資料を日本語と英語で準備しているのです。

初日はすべて日本語で研修を実施します。

チームに分かれ、ある提案を実施することに対して、資料を読み込み、賛成と反対の両方のロジックを作り上げることです。

日本語で行うことで、英語力に関係なく、参加者はロジックに集中できるのが大きなメリットになります。

参加者は、ロジックを組み立てた後、賛成側と反対側との2チームで、試合(課題に対して問題の定義とその解決策を提案し、それに対してQ&Aをして、その問題点を指摘する)を行います。

このプロセスを通じて、チームワークが体得できるだけでなく、個人としてもプレゼンテーション、傾聴力、質問力などが体得できるのです。

翌日に、同じ内容を英語で実施するのです。

体験していただければわかっていただけるのですが、日本語でロジックができていると、英語に直すのは、たやすいのです。

即ち、たった2日間でいつの間にか、英語でビジネスを疑似体験してしまう訳です。

このスピードが「ハイブリッド・ディベート研修」のもうひとつの特徴です。

詳しくは、次のリンクからご覧下さい。