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もしかすると、読者の皆様の中にはディベートを学べば議論で相手を論破することができる、と考えている方がいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、たとえ相手を論破したとしても、相手の考え方を変えることはまず出来ない、と言っても過言ではありません。

逆に、相手は不利になればなるほど、自己を正当化するために躍起となって、感情的に反発することになりかねません。

ディベートを教育しようとする会社が、「論破しても相手を変えることはできない」というのも変なものですが、今回はこの辺りを解説したいと考えております。

始めに、どうして「論破しても相手を変えることはできない」のでしょうか?

この理由は、名著「人を動かす」で著者D.カーネギーが説明しております。

D.カーネギーは、生来大変な議論好きで、大学では論理学と弁論を研究し、討論会にも参加していたそうです。その為、恐ろしく理屈っぽくて、証拠を目の前に突きつけられるまでは、かぶとは脱がなかった人物だったそうです(以上、「人を動かす」より)。

なお、「大学では論理学と弁論を研究し討論会にも参加していた」とのくだりは、英語の原書では次のように書かれています。

出典: How to win friends & influence people, Dale Carnegie
When I went to college, I studied logic and argumentation and went in for debating contests.

つまりは、D.カーネギーはディベートをかなり勉強していたということです。

では、この議論好きなD.カーネギーが、どうして考え方を変えたのでしょうか?

出典:人を動かす D.カーネギー(創元社)
それから後、私は、あらゆる場合に行われる議論を傾聴し、批判し、みずからも加わって、その効果を見守ってきた。その結果、議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかないという結論に達した。その方法とは――議論を避けることだ。
(中略)
議論は、ほとんど例外なく、双方にますます正しいと確信させて終わるものだ。
(中略)
「人間は、むりやりに説得させられても、納得はしない」

まさに金言です。大きく紙に書いて自分の机の前に貼っておくべきではないでしょうか?

ここまで来ると、聡明な読者の皆様は、「では、何故ディベートを学ぶ必要があるのか?」と疑問に思われることでしょう。

私は、ディベートを学ぶことは、より良い結論を導き出すための手法と考えております。

人と協業するとき、どうしても意見を交換する必要があります。それを議論と呼ぶならば、現代社会では、議論をせずに他人を説得したり、行動してもらったりすることは難しくなっております。

しかしながら、ここで間違ってはいけないのが、議論をすることと、相手の主張を否定することとは、異なるということです。

特に、日本人によくあるのが、自分が言っていることを否定されると、自分自身の人格が否定されてしまったように感じるのです。

勿論、人がこのように感じることを禁止することはできません。ただ、こうしたことを避けることは出来ると思うのです。

それは、相手の主張を否定するのではなく、その主張を裏付けている理由を吟味することなのです。

主張を裏付けている理由のことを、ディベートではデータと論拠と2つに分けて考えます。

これは、ディベートでは、ある主張をするときは、それを支えるデータ(エビデンスといいます)とそのデータが主張となる理由(論拠)が必要であると、考えるのです。

こうすれば、相手の主張を頭ごなしに「間違っている」ということではなく、「こうしたデータからは、違った結論になるのではないか」と建設的な議論が可能となるのです。

或いは、問題解決にあたっては、より効果のある手段を提案することで、相手の主張を採用するより良い結果が得られると理解を求めるという、高度な手法もあります。

即ち、ディベートを通じて、ビジネスに役立つ様々な手法を学ぶことが出来るのです。

私は、大学時代に友人がディベートの勉強を始めると、必ずや相手構わず議論をふっかけるのを見てきました。恐らく、自分のその内の一人であったろうと考えると、正直背筋が寒く感じます。

このため、世間には「ディベートアレルギー」が蔓延する結果となってしまったのかもしれません。

私は、自分の反省を込めて、そうした誤解を是非とも解いていきたいと考えております。

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