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先日【五輪エンブレム見直し】選考過程調査報告が発表されましたが、この関連記事を調べるに連れ、ディベートをしていれば旧五輪エンブレム問題は起こらなかったと私は確信した次第です。

まずは、選考過程にどのようなことが起こったのか、報告書を引用してみましょう。

問題の発端は、公募発表前に8人のデザイナーに要請文書を送付したことでした。

出典:産経ニュース【五輪エンブレム見直し】選考過程調査報告詳報(上)2015.12.18
 佐藤副事務総長「8人のデザイナーに対する参加要請文書の発出について。なぜ要請文書を発出したのか。当初から旧エンブレム選定の責任者だった槙英俊(組織委マーケティング)局長=当時=は、応募資格を一定の資格を持つデザイナーに限定しつつ、公募によるコンペをしようと思った。しかし、永井一正審査委員代表から『公募すると日本の最高レベルのデザイナーが競い合うコンペを実現できなくなる』との危惧があった。協議の上、8人のデザイナーにコンペ参加の要請をする文書を送付した。8人のデザイナーについては審査委員代表6人、(当時の高崎卓馬)クリエイティブディレクター2人が選定した」
 「最高のエンブレムを選定し、日本のデザイン界の実力を示したいという経緯には酌むべき事情があったものの、審査委員代表やクリエイティブディレクターの主観で選ばれたデザイナーに公募発表前に要請文書を送付したことは不適切だったという指摘が調査チームからなされた」

次の問題は、この8人の作品のうち2つの作品は1次審査で落ちるはずだったが、審査員代表に「ささやき」、2人の作品を1次通過させたというのです。

出典:産経ニュース【五輪エンブレム見直し】選考過程調査報告詳報(上)2015.12.18
 「送付されたデザイナーについて、優遇措置が行われたかどうかについて検証した。調査の結果、3つの事実が判明した。1つ目はマーケティング局長とクリエイティブディレクターが審査委員代表から8人全員を自動的に2次審査へ進めるよう強く要望されていたこと。そしてその意向に添えるように、特別な取り扱いを想定していたこと」「続いて3つ目はマーケティング局長は1次投票の締め切りが迫ったときに、8人の作品のうち2つの作品には1票しか投票されておらず、このままでは2次審査に進めないことを知り、その旨を審査員代表にささやき、投票をうながし、2人の作品を1次通過させた。これらは当日のDVDを検証して確認できた。特に最後の追加投票については、いわば隠れシードであり、明らかな不正との指摘を受けた」

この「耳打ち」について、脳科学者である茂木健一郎氏は、日本の社会では「頻繁に起こっているように思う」と鋭いコメントを発表しております。

出典:BLOGOS 茂木 健一郎2015年12月19日 21:41エンブレム耳打ち事件
日本の「著名なデザイナー」8名にあらかじめ応募を要請した他、エンブレムの選考で二次に進むために、票が足りなかった著名デザイナーの2作品について「耳打ち」することで、追加投票して進めるようにしたのだという。
「耳打ち」というのがとても面白いが、いずれにせよ、談合というか、出来試合というか、阿吽の呼吸というか、情けないが、いかにも典型的で、というのも、日本の社会を見ると、今回の「エンブレム耳打ち事件」のようなことは頻繁に起こっているように思う。
すぐに思い出すのが「公募展」で、しばらく前に、「入選」作品が事前の根回しで調整されているというのがスキャンダルになっていた。それは是正されたけれども、日本社会のあちらこちらに、似たような話があることはいわば「常識」だろう。

日本の社会では、事前の根回しで調整することが、いわば「常識」というくだりは、こうした話し合いが秘密裏に行われる為、事実を持って証明することは難しいところでは有りますが、読者の皆様にも心当たりがあるのではないでしょうか?

実は、ディベートはオープンに問題を話し合ってより良い解決方法を見つけていくという、事前の根回しの正反対に属する意思決定方式なのです。

欧米社会は、複雑に絡み合う人種、国家、利害関係で構成されており、ディベートはその社会において、人々を説得するために生み出された、いわば欧米人の知恵ともいうべき手法です。

現在のグローバル社会における、様々な国々と複雑な利害関係を解決していくには、ディベートが必要となってきております。

以前であれば、五輪エンブレムを日本のある団体が「耳打ち」して決めても、その類似性をベルギーのあるデザイナーが気付く可能性は、極めて小さかったことでしょう。

しかし、現在では、インターネットの発達により日本で発信した情報は、本人が望まなくとも、グローバル社会に一瞬で届いてしまうのです。

そのグローバル社会とは、様々な才能や知見を持った人が実力で競い合う社会であり、「談合」や「耳打ち」で利益を享受してきた村社会の人々が生き抜いていくには、グローバルで通用する手法に則って意思決定することが必要となります。

今回の旧五輪エンブレム問題が提議した本質的な問題とは、このグローバル化された社会では、過去通用してきた事前の根回しという手法では、日本における問題を解決できなくなってきた、ということではないでしょうか?

最後に、茂木健一郎氏の言葉を引用して、今回のブログを終わりたいと思います。

出典:BLOGOS 茂木 健一郎2015年12月19日 21:41エンブレム耳打ち事件
「エスタブリッシュメント」の間で利益を回していても、社会にイノベーションが起こらなければ、「パイ」がどんどん小さくなっていくだけだ。有名無名に関係なく、ガチの勝負をして初めて活性化する。その時に必要なのは、真の「批評性」であろう。

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