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今年2月、若者を喫煙に誘導しているとして、世界保健機関(WHO)が、喫煙シーンのある映画やドラマを「成人向け」に指定するよう各国政府に勧告しました。

皆様はこれに賛成しますか?或いは反対しますか?

出典 読売オンライン 2016年02月09日
若者を喫煙に誘導しているとして、世界保健機関(WHO)が、喫煙シーンのある映画やドラマを「成人向け」に指定するよう各国政府に勧告しました。(中略)
 オードリー・へプバーンがカフェでたばこを吸うシーンでも知られる「ローマの休日」など、美男美女が紫煙をくゆらせる場面が名画にはたくさん出てきます。また、宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」など、喫煙シーンが出てくるアニメ作品は多く、こうした作品を「成人向け」にすべきかどうか、議論を呼ぶ可能性はあります。

因みに、問題のレポートは、「Films showing smoking scenes should be rated to protect children from tobacco addiction」ですので、一読頂ければ幸いです。

現在、日本は世界保健機関(WHO)におけるたばこ規制枠組条約を採択しており、未成年者の喫煙防止に十分配慮し、次のようにタバコの広告を規制していますが、確かに現在の広告規制では、映画は対象になっていないことがわかります。

出典 製造たばこに係る広告を行う際の指針 財務省告示第百九号 平成十六年三月八日
(1) テレビ、ラジオ及びインターネット等におけるたばこ広告
成人のみを対象とすることが技術的に可能な場合を除き、行わないこと。
(2) 新聞紙及び雑誌その他の刊行物におけるたばこ広告
主として成人の読者を対象としたものに行うこととし、その場合においても、日刊新聞紙については、その影響力に鑑み、広告方法等に配慮すること。

WHOによれば、映画は最後の広告チャンネルの一つだと指摘しています。

出典 MYナビニュース [2016/02/01]
WHOは、喫煙シーンを映した映画は、数百万人もの若者に対してたばこを始めるように促してきたと説明。 WHOのDouglas Bettcher博士は、「たばこ広告が厳しい規制を受けてきた中で、映画は数百万もの若者にたばこを露出させている最後のチャンネルの一つとして、いまだに残っている」と苦言を呈している。

2014年の米国だけでも、若者は喫煙シーンを含む映画がキッカケで600万人もの新しい喫煙者が生まれ、そのうちの200万人はたばこ関連の疾患で将来死ぬというのです。

出典 MYナビニュース [2016/02/01]
米国のある研究によると、新規の思春期世代の喫煙者の37%は映画やドラマがきっかけとなって喫煙を始めているという。米国疾病管理予防センター(US Centers for Disease Control and Prevention)は、2014年の米国だけでも、映画の喫煙シーンに触れたことで600万人もの新しい喫煙者が生まれ、そのうちの200万人はたばこ関連の疾患で将来死ぬだろうと見積もっている。

対策として、WHOは「たばこ関連映画の鑑賞に関する年齢制限」「たばこを含む映画鑑賞前における、強力な反たばこ広告の表示」などの政策を講じるよう、呼びかけているのです。

一方、こうした映画に対する規制を実施することで、問題は無いのでしょうか?

憲法問題に詳しい作花知志弁護士は、『表現の自由』と『知る権利』に対する憲法違反の可能性を指摘します。

出典 弁護士ドットコム2016年2月4日
「仮に、日本政府が、WHOの勧告を受けて、喫煙シーンが含まれる映画やドラマを『成人向け』に指定する措置をとったとします。それは当然、映画やドラマを発表する『表現の自由』(憲法21条)に対する制約であり、憲法に違反しないかどうかが問題となります。
(中略)
そもそも、WHOの根拠とする『登場人物や役者の行動に影響されやすい若者が、まねして喫煙を始めるケースが多い』という点は、どのような科学的根拠があるのかが問題です。
仮にそのような関係にあるとしても、たとえば、喫煙シーンのある映画やドラマについては、喫煙の危険性を伝えるメッセージを冒頭で流すなどすれば、表現そのものを制限しなくても未成年者の健康を保護するという目的を実現できるのではないかと考えられるからです。
(中略)
「さらに、映画やドラマの制作者など、『発表する側』の表現の自由だけでなく、それを見る未成年者の『知る権利』に対する制限にもあたる可能性があります。(中略)
喫煙シーンのある映画について、国が年齢規制を設けた場合、子どもの『知る権利』に対する必要最小限の規制と言えず、憲法違反と判断される可能性があると思います。

さて、若者が、喫煙を始めるきっかけとなり、将来たばこ関連の疾患で死ぬことを未然に防ぐのか、或いは、『表現の自由』と『知る権利』を守るべきなのか、厳しい判断を迫られることになるようです。

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