ひとりディベートのススメ
ディベートでは、現状の問題点を分析して問題解決へのプランを提案する側を肯定側と呼びます。そして、否定側とは、その肯定側の分析及びプランを批判する立場を言います。
つまり、ディベートでは、ある問題に対して、必ず肯定・否定の双方から問題を論じます。
しかしながら、よく考えて見れば、別段他の人とディベートの試合をするだけでなく、自分ひとりで、肯定・否定の立場を論ずることも可能なはずです。
私としては、この自分で肯定・否定の立場を論ずることを、「ひとりディベート」として、皆様にお勧めしたいのです。
いえ、「ひとりディベート」こそ、とてもとても大切なのです。
誰でもがディベートの試合に出るわけではありません。
しかしながら、ディベート思考を学ぶことで、試合に参加しなくとも、よりよい議論や結論に達することが容易になるのです。
その理由を次に述べたいと思います。
一般的に、誰でも自分の支持する立場が好きです。その為、自然と、誰もが自分の支持する立場に重きを置いて、問題解決を図ろうとします。
しかしながら、よく陥る罠がここにはあります。
それは、あまりにも自分の立場を擁護するために、ある意味「偏見」が強くなってしまい、バランスの欠けた議論に陥ることなのです。
例えば、誰かが問題点を示すと、そんなことはたいしたことではない、と十分に議論しないまま終わらしてしまったり、あるいは、極端な場合は、自分の意見を受け入れないことで感情的に反発をしてしまったりすることもあります。
こうした議論は、残念ながら説得性に欠ける可能性がとても高くなります。
また、一方的な考え方で構成された論理は、飛躍が多く、容易に否定されたり、あるいは、後で重要な問題が発覚する危険性もあります。
こうした危険性は、誰でもが問題の両面を同時に見ることで、自ら排除することができるのです。
つまり、自分の支持する議論に対して、自ら疑問を呈し、時にはその論理を修正することで、より説得性のある論理が構成できるようになるのです。
これが、「ひとりディベート」をお勧めする理由なのです。
「ひとりディベート」は、まずリサーチから始まります。
ある論題に対して、始めは賛成も否定もせずに、データを集めるのです。
様々なデータが集まってから、それを肯定・否定に分類していきます。
そして、双方の論理を構成していきます。肯定側の議論をつくり、それを否定してみます。逆もやってみます。
こうすることにより、偏見にとらわれずに、真実を見つめることができます。
また、問題を深く理解し、洞察力を育むことができるようになるのです。
是非とも、「ひとりディベート」を日常の生活やビジネスで応用してください。
きっと、驚くほど深い理解と皆を説得する議論ができるようになると思います。
以上、ひとりディベートについて概論をご説明いたしました。
ひとりディベートをより深く学ぶには、eラーニング「ひとりディベート講座」をお勧め致します。