「ロジック3点セット」は提案力の基本
ディベートでは、全ての主張(Claim)は、証拠(Evidence)と理由(Reasoning)に基づかねばならないという原則があります。
私どもではこれを「ロジック3点セット」と名付け、提案力の基本であると考えております。
ロジック3点セット|動画解説
ロジックとは
ある事実をもとにして、他の事をおしはかる(推論する)論理構成のことです。
自分で経験したことがない事柄でも理解ができる手法で、仮説(提案や主張)を立証するための基本概念です。
ロジックの基本は三段論法
三段論法は次の3つのステップで構成されます。
- 小前提(具体的な証拠) ソクラテスは人間である
- 大前提(一般的な原理=理由) 人間は死ぬ
- 結論(主張) ソクラテスは死ぬ
三段論法は、最終結論(主張)が小前提(証拠)と大前提(理由)により成立するという構成になっております。
ディベートではこれを全ての議論、立論の基本概念、ロジック3点セットとして活用いたします。
全ての主張は、証拠と理由により「証明」されることで成立するという原則です。
お母さんの事例
身近な事例で、ロジック3点セットを説明いたしましょう。
お母さんが子供に次のように言い聞かせています。
「遊んでばかりいないで、お勉強しなさい。良い大人になれないわよ」
- お母さんの論理をロジック3点セットで説明してみましょう。
- あなたが子供だったらお母さんにどのように反論しますか。
まずは、お母さんのロジックをロジック3点セットに分解して考えてみましょう。
お母さんのロジック
お母さんのロジックをロジック3点セットに当てはめると...
- 【証拠】あなたは勉強しない(事実)
- 【理由】勉強しないと良い大人になれない(通念)
- 【主張】あなたは良い大人になれない(結論)
ということになります。
だから勉強しなさいというお母さんからの提案になるわけですが...
これに対し、子供の立場で反論を考えてみましょう。
相手の立場で反論を考える
どのような提案でも、相手に受け入れてもらわなければ成立しません。
自分の都合だけで提案しても、その提案が通る可能性はまずありません。
提案する前に、まず下記の準備が必要です。
- 相手の気持ちやニーズを理解する
- 相手を論破するのではなく、理解され、受け入れられる反論を考える
この2点を事前に想定しておくことで、より説得力のある提案をすることができます。
反論の方法1 事実を疑う
反論には大きく2つの方法があります。
- 「証拠」を疑う
- 「理由」を疑う
「証拠」を疑う場合は、勉強しないというお母さんの指摘は事実ではなく、実は勉強しているという主張になります。
「理由」を疑う反論は、勉強しないとよい大人になれないという社会通念は必ずしも正しくなく、勉強しなくてもよい大人になれるという主張となります。
「理由」への反論の例:子供からお母さんへ
ここでは、子供は実際に勉強していなかったということで、「理由」を疑う反論を考えてみましょう。
- 学校で良い成績を取れば、良い将来が約束されるという訳ではないでしょ?!
- それに僕には学校の勉強の才能がないかも?
- むしろ僕にはサッカーが向いていると思う。
- やっとレギュラーメンバーにも成れたし…
- だから、今はサッカーに集中したいんだ。
このような反論を想定せずに、子供に頭ごなしに「勉強しなさい」といってもまず通りません。
むしろ事前にこのような反論を想定した上で、子供が納得して勉強する提案はどうあるべきでしょうか?
「立論構成の最適化」ではその具体的提案方法について解説いたします。
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