マスメディアで報道されている日が無いほど注目が集まっているのが、働き方改革です。

最も各企業が力を注いでいるのが、長時間労働の是正です。

そのため、まずは業務や会議の仕方の見直しを手掛けることも多いと思います。

こうした少しづつ改善を積み上げる手法がある一方、新しい技術を導入して一気に仕事量を削減するという大胆な改革をしようとする企業も現れました。

それが、人員を半分にすると宣言したソフトバンクです。

ソフトバンクが“AIリストラ”
出典 週刊ダイアモンド2018/02/10
「ITを駆使して、2年で人員を半分にします」。昨年6月に東京・有楽町で開かれたソフトバンクの社員大会で、宮川潤一専務取締役がぶち上げた経緯表明はAI時代を迎えた経営者の焦りの証ともいえた。
ソフトバンクの社員数は1万7000人。このうち宮川専務が統括するテクノロジーユニット(技術部門)は、臨時社員を合わせて1万4000人の巨大組織で、これを2年で半減させる計画だ。」

この人員削減を実現するメインの技術が、AIなのです。

ここで、「人工知能」ともいわれますが、AIとは何でしょうか?

出典 Weblio辞典
AIとは、人間の知的営みをコンピュータに行わせるための技術のこと、または人間の知的営みを行うことができるコンピュータプログラムのことである。一般に「人工知能」と和訳される。
コンピュータがAIと呼ばれるには、人間が用いる自然言語を理解したり、論理的な推論を行うことができたり、経験から学習して応用することができたり、といった知的で発展的な作業をこなすことが要求される。

このAIの能力が画期的に向上したのが、ディープラーニングという技術です。

このディープラーニングという技術は、コンピュータの計算力の大幅な向上と、インターネットなどを介して大量のデータを収集できるようになったことで、この数年で実用レベルに達してきたのです。

このディープラーニングを適用することで、AIが自分で学習することができるようになったのです。

ソフトバンクの宮内謙社長は、このAIを活用して業務時間を短縮したり仕事の流れをスムーズ化するのが、ソフトバンク流の働き方改革だとして、具体例としてコールセンターの窓口業務の生産性向上を説明する。

AIツールのIBM製のWatsonを適用することで、6000席のオペレータを2000程度に削減するというのです。

コールセンターへの適用が進むIBM Watson
出典 IT LEADERS 2017年5月2日
トップに登壇したソフトバンクの宮内謙社長はこう切り出した。「今年から社員に呼び掛けているのはSmart&Fun。つまり、もっと楽しく働こうということだ。どうやるのかというとIT、特にAIを活用して、業務時間を短縮したり仕事の流れをスムーズ化する。言わばソフトバンク流の働き方改革である」。

 具体例として説明したのが、コールセンターの窓口業務。同社では6000席のオペレータが1件あたり平均10分かかる問い合わせ対応を日々こなしている。2016年からここにWatsonを適用した結果、2015年度比で対応時間を15%削減できるようになったという。回答候補の上位5件に正解が含まれる割合(回答精度)も、16年6月の78.3%から17年3月には94.3%に向上した(図1)。
 「過去9カ月で蓄積したデータは4万5500件。AI専任の学習チームがいて、応対時の情報をWatsonに覚え込ませている。今後、回答精度をさらに高め、対応時間を短縮するには時間がかかるが、まずは効果があることを実証できた。2、3年後には対応時間を15年度比で半減させ、チャットボットも組み合わせてコールセンターの席数を2000程度にしたい」。コールセンターだけではない。6月から直営ショップや量販店の売り場にも展開。新人の店舗スタッフを補完する計画だ。

また、ネットワーク保守も、アラーム確認から対策手順の確定に要する時間を23分から2分半へと10分の1減らし、追加動員件数も137件から60件に半減できたというのです。

コールセンターへの適用が進むIBM Watson
出典 IT LEADERS 2017年5月2日
 もう一つ、ネットワーク保守への適用例も説明した。「半年前、社内に『IoTやAIのアイデアを出せ、使いこなせ』と号令をかけた」という。その中から出てきたのが、24時間365日止められない仕事に携わるネットワークの保守部隊の案件だった。約2万あるネットワークノード(サーバー)を常時監視し、何かあると保守に出動する、緊張を強いられる仕事だ。
 そこでサーバーの膨大なログ(アラーム)を自動監視して分類し、順位付けする業務をWatsonでできるようにした。この結果「アラーム確認から対策手順の確定に要する時間を23分から2分半へと10分の1減らした」(図2)。追加動員件数も137件から60件に半減し、部署スタッフの満足度は83%になったという。

 宮内氏は、「現場の痛みや苦労をなんとかするアイデアを出しさえすれば、AIで解決できる。皆がプログラマや技術者になる必要はない。このやり方をソフトバンクの企業文化にしたい」と述べております。

また、人事採用でもIBM製のWatsonを適用することで、成果を上げています。

新卒採用時のエントリーシートの判定という作業で、これまで人間しかできないと考えられていた作業が、AIを取り入れたことで従来の4分の1に削減することができたのです。

ソフトバンク AI活用で新卒採用業務を75%削減
出典 IBM Offering Information
プロジェクトを始めてから2カ月が経った2017年3月には正しい結果が100%得られるわけではないという点が課題だったが、Watsonが不合格と判定したエントリーシートを人がチェックするという業務担当者ならではの逆転の発想でクリア。5月から運用を開始した。

「AIを取り入れたことで作業時間を従来の4分の1に削減することができました。年間ベースに換算すると、680時間を170時間に短縮できることになります」と安藤氏は成果を語る。

今回は、ソフトバンクの取り組みからAIがもたらす生産性向上についてみてみました。

働き方改革の事例をもっと見るには次のリンクから。

働き方改革を進めるには人財への投資が必須です。企業研修は次のリンクから。

ソフトバンクでは、AI導入で浮いた人員を新規事業に振り向けるとしているが、リストラに向かう企業も無いわけではないであろう。

それでは、AIが人間のように学習ができるようになって、従来人間しかできないと考えられていた業務がAIに置き換えられてくると、人間はどのような仕事に携わり、どのような能力を開発していけばよいのでしょうか?

私は、この働き方改革では、従業員の能力開発を進めて、ロボットに置き換えられる単純作業から、高度な仕事に代わっていくべきと考えております。

社員が現状の付加価値の低い仕事から高度な仕事をこなすようになるためには、能力開発の研修が必要となります。

研修には、二通りの内容があります。

一つは、業界や企業ごとに特有のスキルで、もうひとつは、マネジメントスキルのように、どの業界のどの企業にも共通して必要とされる共通スキルです。

当然ながら、共通スキルにおいても、様々な研修が考えられます。

私が提案をしたいのが、ディベート研修です。

ディベートとは欧米でビジネスの基本中の基本とも言えるスキルで、従来の慣習にとらわれず、より良い結論を効率的に導き出す手法です。

=== ディベート研修 ====

ディベート研修も様々なタイプがあるのですが、特にディベートの試合に基づいた研修をお勧めします。

何故ならば、このディベートの試合に基づいた研修では、課題に対して、事実を調査・分析し(ロジカルシンキング)、課題を発見し、解決策を策定して、提案する(プレゼンテーション力)、そして全てのプロセスをメンバーと協力して単時間で達成するチームワーク力などの多様なスキルが同時に体得出来るからなのです。

ディベート研修のポートフォリオ

体験ディベートセミナー
本格的ディベート研修の導入前に、ディベートを半日で体験するセミナーです。
体験ディベートセミナー

ディベート研修:総合的ビジネス力習得
ディベートの試合を中心とした本格的ディベート研修です。ビジネス力を総合的にかつ効率的に習得することを目指します。

ディベート研修:切れる英語力習得
海外勤務や英語でビジネスする人材の英語力を短期間に劇的に向上させることを目指します。

ディベート研修:管理職向け
管理職を対象としたディベート研修です。

ディベート研修:役員(経営者)向け
日々多忙な社長、上級取締役、取締役を対象としたディベート研修です。2時間で、ディベートのエッセンスと役員(経営者)に必須のビジネスの本質をつく質門力の習得を目指します。

ディベート教室:地方自治体及び住民代表向け
行政に携わる地方自治体行政に関わる方々或いは住民代表側として社会行政問題に関わる方々に対して、懸案問題に対して賛成と反対の両面から検討することで、問題の本質を掴み、内因性を理解することで、合理的で本質的な解決策を見出していくことを目指す、ディベート教室をご提案致します。

さて、働き方改革は、日本の産業を強くして競争力を取り戻すための絶好のチャンスです。そのための課題は、従業員一人一人が時間当たり労働生産性を向上させること、そして収益性の高いビジネスを開拓することです。本当の働き方改革実現の為には、社員が従来の慣習にとらわれず、効率的により良い成果を出せるようなスキル研修を積極的に実施すべきです。

詳細は次のリンクを御覧ください