今回は英語でビジネスができるようになるには、どのようにしたら良いかを考えてみましょう。

ここで対象とするのは、中高(大学受験も含めて)で英語をしっかり勉強してきた、或いは英語が好きで色々な場で英語を使ったり勉強したりと意欲がある日本人です。

子供のように、これから英語自体を初めて学ぶという人や、中高で英語が嫌いで全然勉強しなかったという人は対象とはいたしません。

これは、対象を明確にしないと効果的な対策が打てないからです。

さて、中高で英語をしっかり勉強してきて大学受験した、或いは英語が好きな日本人であれば、英語自体がどんなものか(基本的な文法、単語、発音など)は既に知っていることと思います。

目標が、海外旅行で英語をある程度使えるようになりたいというのであれば、旅行で想定されるパターンを覚えてしまえば、何とかなります。少々投資をしてよいのなら、数万円で自動翻訳機も買えるようになりました。

しかしながら、ビジネスでの対話というと敷居がかなり高いのが実情です。

ここで参考にしたいのが、海外ビジネススクールでMBAをとってきた人たちが、どのようにして英語でビジネスができるようになったかです。

海外ビジネススクールでMBAをとってきた人には、勿論帰国子女や海外赴任や留学経験もある人もいます。でも、多くは私たちと同じく、日本で「This is a pen.」で英語を勉強してきたのです。

私も米国ビジネススクールでMBAをとってきましたので、その経験をお話ししましょう。

私は、留学前には英語をかなり勉強しましたが、留学経験もありませんでしたし、英語でビジネスをしたこともありませんでした。また、英語でビジネス書を読んだことも無ければ、英語でレターも書いたこともありませんでした。

兎に角、ビジネススクールで留学が決まり、指定された日時の説明会に出席します。

ここでは、科目ごとにシラバスが配られます。シラバスにはその科目では何を学ぶのか、教科書は何を買うのか、毎回の講義で何を取り上げて、そのために何を事前に勉強していくのかが書かれたものです。

取り合えず、シラバスに指定された教科書やケース集などを生協の書籍売り場で購入します。

次に、授業が始まるまえに、指定された教科書の章やケースを読みます。

具体的にイメージを持つために、マーケティングを取り上げてみましょう。

指定された教科書が、コトラーのマーケティングマネージメントです。

わかる、わからないとかはともかく、授業の前日までに、大量の資料(教科書と指定されたケースなど)を読んで頭に入れておかないといけませんので、必死に読みます。意味の分からない専門用語など綺羅星のようにでてきますが、時間がないので読み飛ばします。なお、どう発音するのかさえ、わかりません。

さて、授業では、(准)教授が突然に講義を始めます。講義といっても、マーケティングでは日本の大学のように黒板に向かって書いてはくれません。大体は教授がテーマを投げかけて、さされた学生が自説を述べる形で進んでいきます。

即ち、多くの講義は(准)教授と学生との対話で進んでいくのです。

対話は帰国子女や留学経験が無い日本人には苦手なのですが、発言をしないと下手をすると単位を落とすかもしれないので、歯を食いしばって発言をします。

また、クラスによっては、グループワークが指定されていて、数人のグループで講義の準備をしたりします。これまた日本人からすると突然始まるわけです。これも、グループワークをしないといけませんので、兎も角何とかすることになります。

さて、ここまでで理解されたとは思いますが、ビジネススクールでは誰も英語を教えてくれないのです。
発音どころか、教科書で出てくる専門用語の意味など調べている時間は全くありません。授業前までに指定された資料を読み、教授の質問や自分の発言に備えなければなりません。また、時折あるレポートの提出も、締め切りまでに書いて提出しなければなりませんので、英語の構文がどうこうなど気にする余裕もなく兎に角レポートを書くのです。

今思い出しても、ビジネススクールでは英語を勉強する時間など何処にもなかったのです。

でも、ここが面白いのですが、数か月経つと何となくできるようになってくるのです。

アメリカ人の発言も何となく理解できるようになりますし、自分の意見も言えるようになりますし、レポートも書けるようになります。専門用語は英語でそのまま覚えてしまうので、別に日本語で意味など気にしないで使えるようになります。

ここに、英語でビジネスができるようになる秘訣があるのです。

即ち、英語でビジネスを学べばよいのです。
皆さんは、いつまでも英語自体を勉強しているのではないでしょうか?

ビジネスの英語はビジネスを英語で学ぶのが一番効率的です。

ビジネスで使う専門用語は英語で学ばなければ身に付きません。英会話学校にいくら通っても英語でビジネスができないのは、ビジネス経験がない(英語を教える資格を取った)外人講師がしたり顔でビジネス対話を教えるからなのです。

日本人は会社ではOJTと称して先輩に仕事のやり方を教わります。欧米では、先輩が教えてはくれませんので自らビジネススクールで学ぶのです。

ビジネスはビジネスの専門知識が必要なのです。

例えば、自分の得意分野や興味ある分野を英語で学ぶのです。マーケティングならば、コトラーのマーケティングの書籍を英語のまま読んで章末の質問の幾つかに自身で回答してみるのです。

コトラーのマーケティングの書籍を一冊読み終わるころには、結構ビジネスで活用できる知識が身につくはずです。なぜなら、MBAをとった人たちはこのようにして勉強してきたからです。

忙しくて勉強する時間がないという人もいるかもしれません。でも、ビジネススクールに行ったって、時間など十分あるはずがないのです。兎に角やるしかないのです。

ここわかることは、英語自体が重要なのではなく、ビジネスをするための知識と対話をどのように身につけるかが重要なのです。

ここで読者の皆様は既に気づいているかもしれません。

マーケティングの専門書を勉強すれば専門知識は習得できるでしょう。

しかしながら、ビジネスで重要だとする「対話」はどのようにしたら身につくのかと。

そうです、ここが次のハードルなのです。

次回には、この「対話」をどうしたらよいのかを取り上げてみたいと思います。

今回は、米国ビジネススクールでの体験から、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」に大切さを取り上げました。

英語でビジネスができるようになる「ハイブリッド・ディベート研修」

今直ぐに、英語でビジネスをしなければならないという緊急のニーズを満たすために、提案するのが弊社開発の「ハイブリッド・ディベート研修」です。

英語でビジネスができるようになるためには、英語の文法がよくわかっている、或いは発音がネイティブに近いとかは、英語をする上では大して重要ではありません。

英語でビジネスをするための知識と対話を身につけることが必要なのです。

ビジネスをするための知識を身につけるには、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」に変わる必要があります。

次には、英語での「対話」を身につける必要があります。即ち、ロジックを身につけるということです。ロジックとは平たく言えば論理或いは論理的思考のことです。

欧米人と会話すると、よく「Why?」と聞かれることと思います。何故なら彼らの思考の仕方として、何かを主張するには理由や事実の裏付けが必要なのです。

ここに日本人の心理的問題があるのです。
日本人は「ここは触れてはいけないな」と相手をおもんばかることが文化的に大切とされているので、「Why?」を避ける習慣で育っております。

つまり、英語がうまい下手ではなく、何をどう答えたらよいのか訓練されていないから、欧米人と対話ができないのです。

さて、知識とロジックを同時に身につけるのに最適なのが、ハイブリッド・ディベート研修なのです。

研修では、あるケースについて大量の資料を準備します。それも同じ資料を日本語と英語で準備しているのです。

初日はすべて日本語で研修を実施します。

チームに分かれ、ある提案を実施することに対して、資料を読み込み、賛成と反対の両方のロジックを作り上げることです。

日本語で行うことで、英語力に関係なく、参加者はロジックに集中できるのが大きなメリットになります。

参加者は、ロジックを組み立てた後、賛成側と反対側との2チームで、試合(課題に対して問題の定義とその解決策を提案し、それに対してQ&Aをして、その問題点を指摘する)を行います。

このプロセスを通じて、チームワークが体得できるだけでなく、個人としてもプレゼンテーション、傾聴力、質問力などが体得できるのです。

翌日に、同じ内容を英語で実施するのです。

体験していただければわかっていただけるのですが、日本語でロジックができていると、英語に直すのは、たやすいのです。

即ち、たった2日間でいつの間にか、英語でビジネスを疑似体験してしまう訳です。

このスピードが「ハイブリッド・ディベート研修」のもうひとつの特徴です。

詳しくは、次のリンクからご覧下さい。